2007年4月19日
創業20周年を迎えて「小さな出来事とかすかな気づき」

この20年間、仕事でご一緒させて頂いた多くの方々に感謝をこめて。

 その日の夕刻は少し予定が立て込んでいて、私は車でスタッフと打合せの終わった天王洲を後にしました。遅れ気味の予定を気に掛けながら品川駅前を左方向へとハンドルを切った刹那に小さな違和感に捕らわれました。ちょうど上り坂の向こうには、きれいな上弦の月。「この景色はよく見たなぁ」と一気に20年前の事が頭をよぎったのでした。天王洲から品川駅前を通って、高輪台を桜田通りへと、そして四の橋へ向かおうという具合に、友人のスタジオへ向かう道順を頭の中で繰り返していたのですが、気が付けばそれは、私がこの20年の中で、かつて仕事の拠点としていた高輪4丁目のマンションの一室、天王洲のビル、そして高輪台のオフィスと、過去の全ての仕事場が1つのルートの中におさまる道のりでした。

 その日は創業20周年の記念日だというのに、忙しさにかまけてスタッフ連中と出かけにシャンパンで乾杯しただけでしたが、突然気づいたこの小さな出来事の偶然の連なりは果たして何なのだろうと不思議な気持ちになったものでした。

 思えば、中学校の美術教師の職を辞めて、30才過ぎに大学院に入り直し、そのまま何となく、暗中模索で独り立ちしたのがたった今通り過ぎた高輪の小さなマンションの一室でした。最近になって私はよく、「ガンバラナイけど、アキラメナイ」という言葉を好んで人前で披露しておりますが、その小さな出来事のおかげで、4月19日のその夕方は改めて、よくここまでユニバーサルデザインにしてもアキラメズに、自分達らしくやって来て良かったなと心の中で自分に言い聞かせていました。

 この20年間、私と私どものスタッフの思いを支え、様々な事を教えて頂き、多くの機会を与えて頂いた全ての方々に改めて深く感謝いたします。

本当に有難うございました。

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